コラム

白百合の香り

例年より早く始まり、例年より熱い猛暑の中、あちこちで白百合が咲いています。
ひまわりと異なり、真っ白な百合の花は暑さを感じさせず、むしろ夏の太陽の下で凛として咲く姿から、
夏に立ち向かうエネルギーをもらうような気がします。

白い花の例にもれず、酔わせるようなロマンティックな芳香をあたりに放ち、
夜になると一層香りが強まるのは、ジャスミンやガーデニア(くちなし)、オレンジの花同様です。

しかし近年の香水市場では、特にメゾン系のブランドでは、香料として含まれていても
“Lily(リリー)”が主役になるフレグランスはあまり見かけません。

専門の調香師の話によると、「Lily(リリー)は特徴のある香りだが、これといった特徴成分がないため、
ホワイトフローラルノートとしては、チュベローズやジャスミンの中に埋もれてしまいがちな難しさがある」
「天然のLilyの香料は存在しない。花の価格、採油率からして適切な価格での製造が難しいからと推測される」
「香料会社各社はLilyの調合香料は持っている」

だから天然香料の賦香率が高いメゾンブランド(ニッチラグジュリー)には、
LiLyがテーマのフレグランスを見かけないないのかもしれません。

百合に限っては、真夏の太陽の下力強く咲く、華やかな自然の花の香りを存分に楽しむのが、
花の少ない夏の大きな歓びとなっています。

2023/7
YY

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