コラム

金木犀

みなさんは、香りが持つ不思議な力を感じたことはないでしょうか。

ふと香りを感じた瞬間に過去の記憶が蘇る…ということは、多かれ少なかれどなたでも経験があるのではないかと思います。
その香りにまつわる過去の思い出は、時にエモーショナルな感情をもたらします。
近頃「香水」という曲が大流行しましたが、あの歌詞はまさに、そういうことですよね。

7月のコラム(vol.4)でも「香りと記憶」について触れていますが、今回は香りと記憶の結びつきについて、もう少しお話したいと思います。

そもそも嗅覚は、生物が生きていく上で出会う、様々な危険を察知するための、とても大切な感覚です。
そのため、嗅覚は脳に直結していて、香り(あるいは匂いまたは臭い)を感じたら、経路をたどり、脳へ電気信号を送ります。
その信号をキャッチする場所が、記憶を司る「海馬」の近くであることから、香り=記憶となる…らしいのです。

金木犀の花が咲き始め、風にのって、その香りが漂う季節になりましたね。
私は、香りの仕事に携わるようになって、金木犀の香りをお好きな方がたくさんいらっしゃることに驚きました。(特に男性)
季節的にも、今、ちょうど、金木犀の香りの香水をお探しの方が多くご来店くださいます。
正直申し上げますと、私自身は、実は金木犀の香りは苦手なのですが…笑
でも、香りを感じると、金木犀の香りが大好きだった父のことを思い出します。

みなさんは、金木犀の香りに、どのような記憶、どのような思い出がありますか。
金木犀の香りを感じたら、そっと、過去の記憶に寄り添ってみてはいかがでしょうか。

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