コラム

香りと記憶

Vol.4となる今回は、MK子が担当します。

フォルテと私の出会いは、住まいがオフィスの近くでちょっとしたお手伝いの依頼を受けたことでした。香水は知っていましたが、フレグランスという呼び名は知らず、ましてムエット等の専門用語も全くわからない未知の世界でした。仕事内容は、お手伝いから次々に増え、あっという間に一日中フォルテで過ごすようになりました。香りの世界について色々と教わり知識が増えたのは言うまでもありません。

その一つが、嗅覚で感じた香りは瞬時に脳に記憶される事です。この季節道を歩いていると「クチナシ」の花のとても良い香りに遭遇することがありますが、この香りを嗅ぐと私は必ず小学生の頃教室に飾られていた真っ白な大輪のクチナシの花を思い出します。友達が庭に咲く度に切って持って来てくれたのです。嗅覚記憶を教わった時、何とも納得しました。もう何十年も前の事なのに、正に同じ香りのまま今でもはっきりと思い出せるのです。

今年はコロナウィルスのお陰で外出自粛を要請され、思いがけずゆとりができたので、家の庭にクチナシの木を植えてみました。実は私、園芸はあまり好みでないのですが、その私が木を植えたのです(笑)。クチナシの香りにとても癒されるので、今後は自分の庭でも楽しみたいという思いがそうさせました。

まだ小さな木なので花も小さいですが、香りは間違いなく教室に漂っていた芳しい香りです。毎朝出社の前に、クチナシの香りを確かめては心を満たし、元気をもらっています。

何十年経っても、一つの香りが私の中で生き続けています。
香りが持つ素晴らしい力だと思います。

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