コラム

葛の花の香り

毎年9月のお彼岸近くになると、ある日突然に漂ってくる「金木犀(きんもくせい)」の香りを日本人は大好きです。
化粧品・香水メーカーも「金木犀」のフレグランスを盛んに発売します。

日本では一年を通じて、拡散性が強く華やかではっきりとした香りの花はあまりないと言ってよいでしょう。
春はバラ、初夏はくちなし(ガーデニア)、夏は百合、そして秋は金木犀。
決まりきった香りを日本人は記憶しています。

しかし夏の終わりから秋には、都会の一般人があまり見たり嗅いだりすることのない、魅惑的で華やかな香りの花が咲きます。

■葛の花-空き地に咲く葛の花は、野草なのに得も言われぬ魅惑的な香り。
■ジンジャーリリィ(花ショウガ)-ホワイトフラワー(白い花)は外国から入ってきた植物らしい。
白い花の典型的な酔わせるようなロマンティックな香りが夜や朝方に漂う。

ジンジャーリリィの香水は聞きますが、葛の花の香水は大分以前に武蔵野ワークスが創られた以外にはないようです。

10月中旬に日本発売予定のCARONの新しい香り「ベル・ド・ニアッサ」は、
アフリカ・モザンビークのニアッサ平原に咲くマホガニーの花の香りがテーマ。
希少な花で香料が存在しないので、調香師ジャン・ジャックは既存の香料の組み合わせでマホガニーの香りを再現。

日本の「葛の花」の香りが再現されると、どんな香水ができるのだろうか?

2023/9
YY

最近のコラム記事コラム一覧